「それは前世の記憶!もしくはエヴェレット解釈に基づいたマルチバースに無意識が接続したっちゅう…」
君の名は。で、三葉が瀧との入れ替わりに気づく前。
てっしー、三葉、さやちんの校庭での会話に出てくるこのてっしーの発言。
なーに言ってんだこいつ??と思ったんじゃないでしょうか。
僕は
「こいつ...
やりおるっ!!!」
と思いました🙄
なぜなら
『エヴェレット解釈』も
『マルチバース』も
物理学の用語だからです。
高校生の分際で何て博識なっ!!!!
そんなこんなで
今回は『マルチバース』のお話。
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みなさんがよく知っている単語
『ユニバース』
『宇宙』って意味ですね😃
お笑いコンビの方ではございません。
『ユニ』とは『一つの、単一の』という意味がございますのよ。
なので『マルチバース』は複数の宇宙という意味。そのままですね。
てっしーは
「三葉の意識が違う宇宙に飛んでっちゃったんじゃね?」的なことを言ったのでしょうかね...
オカルト知らんから分からんけど
いやいや、違う宇宙ってなんやねん😧
宇宙って何個もあるんかいなっ
って思うことでしょう。
答えを言うと、
ものすごい数の宇宙が存在していると考えられています。
ここでの宇宙ってのは
別の銀河とか、遠い宇宙、とかではなく
異なる世界、パラレルワールドってこと。
これをマルチバースと呼びます、と。
『存在しています』と断言できない理由は後ほどお話しします👍
では、ものすごい数ってどれくらいなんでしょう?
(難しい言葉は飛ばしても問題ないです!)
マルチバースという考え方はエヴェレット解釈(量子力学の多世界解釈)が発端で考えられ始めました。
宇宙の膨張や暗黒エネルギー、真空エネルギーなどの研究が進むにつれ、我々が今いる宇宙を説明するために超ひも理論(*1)というものが考えられました。
この理論を使って宇宙の姿ってどんなんかなぁって解こうとすると
解は
個ある
と導かれます。
すなわち宇宙の姿(物理定数、法則、さらには次元のような条件の取り方)の候補が 個あると理論さんはおっしゃっているのです。
ふぁ??🙃
って感じですね笑
ではこの全ての宇宙を観測することができるのか、と言うとそうではありません。
普通の宇宙は真空エネルギーが大きく銀河や星は引き裂かれ人間は誕生し得ない、ということが計算でわかっています。
物理定数、法則、さらには次元のような条件が、人間が誕生可能である条件と一致していることはなかなかないのです。
とてもとても特殊な条件が揃って運よく人間が誕生できた宇宙が我々のいる宇宙ということなんですね。
さらに言うと、人間がいなければその宇宙を観測することはできません。
なので、観測できる宇宙は人間が存在し得る宇宙のみということになり、個のほとんどの宇宙は観測できません。
これが『存在しています』と断言できない理由です。
だって見れないんだもん。
以前、星の誕生と消滅を繰り返して僕らの身体ができる〜奇跡的ィ〜
なんてお話をしましたが👇
そもそも、『星や銀河が存在できる宇宙』もレアなものなのです。
我々の存在がかなり厳しい条件でしか有り得ないと、改めて感じることができるお話であったのではないでしょうか。
人間とはとても小さくて奇跡的な存在ですね。
勅使河原、サンクス!!!
(*1) :超ひも理論は未だ未完成の理論です。
今回のまとめ
① 宇宙はたくさん存在する(パラレルワールド)。
② しかし観測可能な宇宙は人間が存在できる宇宙のみ(人間原理)。
参考文献:宇宙は本当にひとつなのか BLUE BACKS 村山斉