クリスマスツリーにつける星の由来を考えたことはありますか?今回は、この星について解説したいと思います。
クリスマスツリーの星はなに?
この星は『ベツレヘムの星(Star of Bethlehem)』を模したものです。ベツレヘムの星とは聖書に登場する、キリストの誕生を知らせた星と言われています。
キリストがベツレヘムで誕生した直後、東の国で誰も見たことがない星が西の空に見えた。3人の博士、すなわちカスパール・メルヒオール・バルタザールらは、ユダヤ人の王が生まれた事を知り、その星に向かって旅を始めた。途中でユダヤのヘロデ王に会った3博士は、「ユダヤ人たちの王はどこで生まれたのでしょうか」と尋ねた。ヘロデは、自分にとって代わる王がいるのかと驚き、不安を覚え、3博士にその居所がわかれば教えるように命じる。博士たちは星に導かれてさらにベツレヘムへの道を進み、星が止まった真下に、母マリアに抱かれたイエスを見出して、彼に敬意を払って礼拝し、高価な珍しい贈り物を捧げた。しかし、夢でのお告げにより、ヘロデ王には知らせないまま帰国してしまったのである。後にヘロデは、自分の王座をおびやかす者を排除しようと、ベツレヘムとその周辺の2歳以下の男児を皆殺しにしたが、主の天使が夢でヨセフに現れ、この災厄を事前に知ったので、幼な子イエスとその母をつれてエジプトへ脱出して助かった。
(wikipediaより)
そしてこのベツレヘムの星は様々な絵画にも登場します。
上の絵画では幼いキリストの上の空でオレンジ色のベツレヘムの星が輝いています(隕石に見えますね...笑)。キリストの降誕祭であるクリスマスの飾りとしては納得ですね。
ベツレヘムの星の正体の調査
さて、クリスマスツリーの星にこんな意味があったなんて驚きなのですが、天文屋さんが気になってしまうのは、そう
キリストの降誕を知らせた星の正体
なんですね。
作り話ではないかという考えの学者もいますが、さまざまな天文学者が登場人物(ヘロデ王など)の文献から年代を絞り、その年で起きたはずであろう天体現象からこのベツレヘムの星の正体を探ろうとしました。
いや、ほんと天文学者はおもしろい。
ベツレヘムの星候補さんたちを紹介していきます。
ベツレヘムの星候補①:ハレー彗星説
候補の一つに、ハレー彗星があります。先ほど登場したジョット作「東方三博士の礼拝」のベツレヘムの星はハレー彗星の形をしています。しかしハレー彗星の周期は分かっており、最接近したのは紀元前12年とキリスト誕生の年としては早すぎます。
残念!!
ベツレヘムの星候補②:惑星の会合説
他の候補としてあげられているのが紀元前7年に起きた「木星と土星の3連会合」です。これは二つの惑星がかなり近くに観測される珍しい現象です。かの有名な天文学者ヨハネス・ケプラーの説です。
しかし、今では珍しい現象ではあるが合体してより明るく見えたというわけではないことがわかっていますし、キリスト生誕の頃に起きた天文学的な現象を網羅したバビロンにおける古代歴にも記述がありません。
残念!!
ベツレヘムの星候補③:超新星説
超新星とは、星が爆発するときに強く輝く、すなわち急に新しい星が出現したように見える現象です。
アンドロメダ銀河近くで爆発した超新星なのではないかという説が近年出てきましたが、現在の残骸から正確な爆発時期を割り出すのは困難らしいです。
残念!!
以上のまとめとしては
分かりません!
ってことですね。こいつは正体不明なんだなぁ...なんて考えながらクリスマスツリーを眺めましょう。
他記事の紹介
ベツレヘムの星以外にも、七夕の彦星と織姫に関してもふざけた考察を記事にしています。ぜひご覧ください。
生命は宇宙から来たという説である、パンスペルミア説についてもまとめています。