料理で大失敗したときに誕生するものです。
銀魂のお妙さんの得意料理ですね。
...
嘘です。そんな話がしたいわけではありまちぇん。
実はこの「ダークマター」、宇宙物理学用語だったりします。
最近、流星群やクリスマスについてなど、みんなに親しみのある話ばっかり書いていたのですが
物理のおはなしを書いて欲しいとの声をいただいたので
頑張って書いていきます。
ではダークマターってどんなものなの?
今回はこの話題について簡単にお話ししていきます。
1. ダークマターの誕生
はい、渦巻銀河。光っている一点一点は星と思ってください。
ぼやーっと明るくなっている部分は小さな星がたくさん集まっています。
現在の観測ではこの渦の回転速度もわかります。
ぐるぐる回る速さですね。
渦がぐるぐる回る速度は中心にある質量で決まっちゃいます。実は。
光っている星は上の写真から中心にたくさん集まっているのがわかると思います。
言いかえると、この銀河におけるほとんどの質量はまんなかにある、と。
そうすると
銀河の中心から遠くなるほど
回転速度はゆっくりになっていく
はずなのです。(下図A)
(この図の縦軸は速度、横軸が銀河中心からの距離を表しています。)
数式を出せないので、そういうものと思ってください🙄
真ん中の方では早くまわって、遠くではゆっくり回って...
太陽の周りを回る速さが水星の方が早くて
金星、地球、火星と遠くになるほどゆっくりになる
と同じと考えてもらえればいいかな。
...
しかし!
実際に観測されている渦巻銀河の回転速度は図のBのようになります。
あれ?言うてることちゃうやんけ!!
とかキレないでください。
そう、遠くへ行っても行っても速度が遅くならないのです。
これ、わかりやすく言うと、
中心から遠く離れた光っていない場所でも
質量が存在してなければならない
と言うことを意味します。
もっと言ってしまうと
何もないところに質量がなきゃいけない
と言うことなんですね。
上の写真の端っことか黒いでしょ?星はないのよ。でもそこに質量がないと説明できないのよ、的な。
そこで考えられたのが
「ダークマター」
と言う概念なんですね。
見えないしなんだか分からんけど、質量を持った謎のものが存在しています、と。
もちろん,いまだにダークマターの正体は分かっていません。
2. ダークマターの候補
では今、どのようなものがダークマターの候補としてあげられているのか。
普通に考えれば、ダークマターは光っていない原子や分子なんじゃいないの?
と考えたくなりますよね。俺はなる。
しかし、ビッグバンの時に生まれた元素の計算によると、あって欲しいダークマターの量ほど大量の物質を存在させることはできない、らしいです。
ムムム...普通の物質ではないのか...
ダークマターの候補には天文学的なアプローチと素粒子物理学的アプローチがあります。
天文学的な候補
MACHO(マッチョ)や暗い天体(ブラックホール・白色矮星・褐色矮星 etc.)などがあげられていますが、上に述べたように、ビッグバンの時に生まれた元素の計算だーなんちゃらを考慮するとこれらがダークマターであると言える可能性はほぼなくなります。
残念っ!!
素粒子的な候補
候補にあがっているほとんどが存在が未確認であり、推測や予言の域を出ていません。
素粒子物理学を専攻していないので詳しくはないのですが、たくさんある候補の中でも一つだけ
「コールドダークマター(CDM)」
だけ紹介します。
このCDMの存在を仮定して宇宙論的に計算すると、現在の宇宙の構造をおおよそ説明可能になるという物質です(Missing Satellites Problemなど多少問題は残りますが)。Λ-CDMモデルという宇宙モデルを考えて現在多くの宇宙物理学者が研究しています。
まぁ僕はよー分からんですがねっ
ただこれが今のところ一番答えに近いのかな。
見つけられればいいですね(他人事)(~w~)
この謎に満ちたダークマターに興味をもっていただけたら、今回の記事を書いた意味はあったかなぁなんて思います!ではでは!
今回のまとめ
① ダークマターは天文学的現象を説明するために考え出された仮説上の物体
② ダークマターの正体はいまだに分かっていない
③ コールドダークマターという候補が今のところ有力である
イメージしやすいように所々正確性に欠ける書き方をしておりますがお許しを...
参考:現代宇宙論 ---時空と物質の共進化 松原隆彦 東京大学出版会