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24. 天体の楕円運動

 

今年の冬はあったかいですね〜

 

このまま春こねぇかなぁ〜

 

そんなことをボーッと考えてる宇宙少年です。

 

さてさて今回は

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提供:NASA

天体の運動

についてお話したいと思います。

 

地球はずーと同じ軌道を描いて太陽の周りをぐるぐるしていますよね。

これは太陽の重力に引っ張られ続けているからです。

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地球だけでなく木星土星も、はたまたハレー彗星もこれと同じように、太陽の重力につかまってぐるぐる回っているのです。

 

不思議ですよね。

みんな同じルールに従ってる。

太陽の周りを回ってる。

 

『回っている』なんて皆さん知ってるだろうし、言葉で言うのは簡単ですが

「そのルールを説明して」なんて言われたら

むむっ(楽◯カードマ〜ん)

てなっちゃいますよね。

 

そんなルールをキレイに示してくれるのが物理学だったりするんですね。

今回は物理学がどれほどキレイに現実世界を表してくれるのか見ていきます。 

 

数式アレルギーの方は

同じ軌道で!!

ぐるぐる回ってる!!

しゅごいっ!!

で終了で問題ナッシングです。

 

今回は僕のメモ的な部分もあります。

天文学を学ぶ方は天体の運動には触れると思うのでド忘れしたときに見てください。

物理専門ではない方も、物理学のエレガントさを体験してみてください。

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まずは中心力というものについて説明いたします。

意味はそのまま、『力の大きさは原点(中心天体)と物体(惑星)の距離 r に依存し、力の方向は原点と質点を結ぶ線に沿っている力のこと』です。

重力は満たしてますね。常に中心天体の方向を向いてるし、

\displaystyle F=-G\frac{Mm}{r^2} \tag{1}

と表せます。なお、万有引力定数を G , 中心天体の質量を M , 物体の質量を m としています。

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そしてこの中心力のもとでは、角運動量保存

\displaystyle \boldsymbol{L}=m\boldsymbol{r}\times \boldsymbol{v}=\rm{const} \tag{2}

が成り立ちます。簡単にいうとこれは物体(惑星)が以下の図のように原点 O を通り、\boldsymbol{L}_0 に垂直な一つの平面内をグルグル運動し続けることを意味します。

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さらに、惑星の位置ベクトル \boldsymbol{r} がこの平面内で dt 時間に掃く面積 dS は斜線部分であり、

\displaystyle dS=\frac{1}{2}|\boldsymbol{r}\times \boldsymbol{v}| \tag{3}

と表せます。従って、

\displaystyle \frac{dS}{dt}=\frac{1}{2m}|\boldsymbol{r}\times \boldsymbol{p}|=\frac{|\boldsymbol{L}|}{2m}=\rm{const} \tag{4}

となります。dS/dt を面積速度といいます。すなわちこの式から、

「中心力のもとでの運動では、面積速度が一定である」と言えました。

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上の図のような二次元極座標を考えると、 h を定数として、

\displaystyle \frac{dS}{dt}=\frac{1}{2}|\boldsymbol{r}\times \boldsymbol{v}|=\frac{1}{2}r\cdot v_{\varphi}=\frac{1}{2}r^2\dot{\varphi}\equiv \frac{1}{2}h \tag{5}

と書けます。今後のために笑

 

さてさて、惑星が一つの平面内で運動することが説明された後は、その惑星の軌道がどんな形(楕円)になるのか。気になりますね〜。ならないか?俺はなる。どう決まるのでしょう。

 

まずは極座標系における惑星の運動方程式を書き下してみます。

\displaystyle m(\ddot{r}-r\dot{\varphi}^2)=-G\frac{Mm}{r^2}    \tag{6a}

\displaystyle m\frac{1}{r}\frac{d}{dt}(r^2\dot{\varphi})=0    \tag{6b}

(6a)が動径方向, (6b)が回転方向の運動方程式ですね。 この(6b)式を見ると、ただただ面積速度一定の関係を与える方程式に過ぎないことがわかります。

なので、その解である r^2 \dot{\varphi}=h=\rm{const} を(6a)に代入すれば、

\displaystyle \ddot{r}-\frac{h^2}{r^3}=-\frac{GM}{r^2}    \tag{7}

という r のみについての方程式が得られます。今知りたいのは r(t) ( r の時間変化)ではなく、軌道の方程式 r(\varphi) の具体的な標識なので

 

ゴリゴリ式変形していきやすよぉ〜〜 (°▽°)

できるだけ書くのでたどればわかると思いやす...

 

さっそく r の t 微分から r の \varphi 微分に書き換えていきやす。h=r^2\dot{\varphi} を思い出しながら...

\displaystyle \dot{r}=\frac{dr}{d\varphi}\dot{\varphi}=\frac{h}{r^2}\frac{dr}{d\varphi}    \tag{8}

\displaystyle \ddot{r}=\left( \frac{d}{d\varphi}\left(\frac{h}{r^2}\frac{dr}{d\varphi}\right)\right)\dot{\varphi}=\frac{h}{r^2}\frac{d}{d\varphi}\left(\frac{h}{r^2}\frac{dr}{d\varphi}\right)    \tag{9} 

この(9)を(7)に代入すると、惑星の軌道 r(\varphi) を定める方程式としてひとまず次の式をゲッチュします。

\displaystyle \frac{d}{d\varphi}\left(\frac{1}{r^2}\frac{dr}{d\varphi}\right)-\frac{1}{r}=-\frac{GM}{h^2}\tag{10}

ここで、 1/u\equiv rという変換を行うと、

\displaystyle \frac{d^2u}{d\varphi^2}+u=\frac{GM}{h^2}\equiv \frac{1}{l}\tag{11}

と形を変えることができちゃいます!!

この形の方程式の解は

\displaystyle u=\frac{1}{r}=A\cos (\varphi + \alpha)+\frac{1}{l}\tag{12} 

と書くことができます。ちなみに A , \alpha は任意の定数です。

さらに、解の形を整えるために A\equiv e/l とおき、軌道の曲線 u(\varphi)\varphi=0 という直線に関して対象となるように極座標系を設定することとして \alpha = 0 を採用すると、軌道の方程式は、

\displaystyle r=\frac{l}{1+e\cos \varphi} \tag{13} 

と書き換えることができます。

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上の図を見ながらだとわかりやすいかもです!

e=0 のとき、(13)式は r=l となり、常に同じ半径、すなわち円を表すことがわかります(図の1)。e が徐々に大きくなるにつれ、円はだんだん歪んで楕円になります(図の2)。具体的な値を入れるとわかりやすいかも!そしてe=1 のとき、放物線(図の3)を、e \gt 1 のときは双曲線(図の4)を表します。

ここで出てくる e を離心率といいます。名前ついてやがる。

0 \lt e \lt 1 (楕円)のときは、値が大きい方がミョーーンって細長い、歪んだ楕円になることはお話しましたが

さて、ここで

太陽系の惑星の軌道と比較してみましょう! 

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惑星たちはほぼ円軌道で e は0に近い値となっていることがわかりますが、ハレー彗星よ。ミョーーーンなっとるがな。ちなみに離心率は

0.96714291

らしいです(ハレー彗星 - Wikipedia)。

限界までミョーーーンてなってるんすね。

 

さらに離心率 e角運動量 L と エネルギー E を用いて

\displaystyle e=\sqrt{1+\frac{2L^2 E}{m^3 G^2 M^2}} \tag{14} 

と書けるんですね。どういうことかと言うと、

 

中心力(重力)しか受けていないとき

惑星の位置と速度が決まれば LE が決定し e が一つに決まる、すなわち軌道が決まってしまう!

と言うことなんです。

 

かちゃかちゃと数式をいじっただけで

惑星がなんでずっと同じ軌道をグルグルしているのか

そのルールを物理が示してくれました。

 

うーん、古典力学っておもしろい...

 

 

 

理解のしやすさを優先して適度に嘘ついてますがお許しを。

参考: 基礎物理学1  物理学序論としての力学   藤原邦男 著

物理学序論としての 力学 (基礎物理学1)

物理学序論としての 力学 (基礎物理学1)

 

 

 

今回のまとめ

① 惑星はずーっと同じ軌道を描いている

② そのルールは物理が示してくれる