『七夕』
小さい頃、短冊に願い事を書いたものです。今年も近くのファミリーマートで願い事を書きましょうかね。そうだな、星が見える天窓のあるマイホームが欲しいですね。あと暖炉付き。
今回は、七夕のお話に登場する織姫と彦星は実はメンヘラなのではないか、というお話をします。
七夕に登場する星の紹介
夏の晴れた日の夜、東を向いて空の高い位置、そこには『夏の大三角』が見えるはず。
アルタイル デネブ ベガ
一際輝くこの星には別の呼び名があります。
アルタイルは彦星(ひこぼし)
ベガは織姫星(おりひめぼし)
そしてデネブから 斜め右上に伸びる白い雲のようなものが 天の川
みなさんがよく知っている七夕のお話です。
天の神様には、一人の娘がいました。名前を織姫と言いました。織姫は機を織って、神様たちの着物を作る仕事をしていました。織姫がやがて年頃になり、天の神様は娘に、御婿さんをむかえてやろうと思いました。色々探して見つけたのが、天の川の岸で天の牛を飼っている、彦星という若者です。彦星は、とても立派な若者でした。織姫も、かがやくばかりに美しい娘です。二人は相手を一目見ただけで、好きになりました。二人は結婚して、楽しい生活を送るようになりました。でも、仲が良過ぎるのも困りもので、二人は仕事を忘れて、遊んでばかりいるようになったのです。すると、天の神様のもとへ、皆が文句を言いに来るようになりました。
...
すっかり怒ってしまい「二人は天の川の、東と西に別れて暮らすがよい」と、言って、織姫と彦星を、別れ別れにしたのです。でも天の神様は、織姫があまりにも悲しそうにしているのを見て、こう言いました。「一年に一度だけ、七月七日の夜だけ、彦星と会ってもよろしい」 それから、一年に一度会える日だけを楽しみにして、織姫は毎日、一生懸命に機を織りました。天の川の向こうの彦星も、天の牛を飼う仕事に精を出しました。そして、待ちに待った七月七日の夜、織姫は天の川を渡って、彦星の所へ会いに行きます。
(引用:Wikipedia)
『一年に一回の会える日』だけを心の支えに一生懸命 生きていくなんて...。なんて純粋なのでしょう...。マイホームとか言っていたのが恥ずかしい。
物理学から計算した織姫と彦星の会う頻度
この星たちの天文学/物理学的な話をしていきます。
まず彦星と織姫は何歳まで生きれるのでしょうか。宇宙物理学で恒星の質量と寿命の関係が分かっているのでそこから判断すると、アルタイル (彦星) とベガ (織姫星) の寿命はおよそ80億年〜100億年と考えられます。(どんだけ長生きやねん。)
ところで年に一度しか逢うことのできない織姫と彦星ですが、二人の寿命を100億年とするならば一生のうちで100億回、会えることになります。
人間の寿命の中で同じ回数会おうとすると、およそ0.32 秒に1回 会っている計算になります。
会いすぎ。
織姫ちゃん、純粋かと思ったけどトイレ行く時間も与えません。
それから二人の距離についてですが、アルタイル (彦星) とベガ (織姫星) の間の距離はおよそ 14光年ということがわかっております。
光年とは下の記事で解説しましたが、光の速さで 1年間突っ走って進む距離のことです。
そもそも二人が逢うためには光速で14年移動する必要があります。それを7月7日の夜だけで会いに行けるんだもん。織姫ちゃん、サニブラウン選手の37兆倍の速さで走ります(1時間で会いに行けるとして)。フッ軽にもほどがあります。
古き良き日本の七夕
おっと、いけない。ロマンチックなおとぎ話に物理は併用してはいけない。では最後はロマンチックな逸話を紹介して終わりにしましょう。
七夕の時期になるとアルタイル (彦星) とベガ (織姫星) が近づくと勘違いしている方がいるかもしれません。しかし実際は離ればなれのままなのです。
江戸時代、日本人はそのことを知っていたのでしょう。
七夕の夜になると、たらいに水を張り、彦星と織姫星を水面に映し、二人がくっつくようたらいを揺らしたり手で混ぜたりしたそうです。
情趣溢れる古き日本、良いですね。
他記事の紹介
クリスマスツリーの星に意味があるって知ってましたか?
私たちの体は宇宙のかけらでできています。そんなロマンのある話をまとめています。