天文学や宇宙物理学に関する本を読んでいるとよく出てくるのが以下の記号『サーカムパンクト(circumpunct)』です。
宇宙物理では質量や光度の単位として や を用います。読み方は「太陽質量(Solar Mass)」と「太陽光度(Solar Luminosity)」です。意味は「太陽ひとつ分の質量、光度」です。なので、30 と言ったら太陽30個分の質量!って事です。
今まで何気なくこの単位を使っていて、は太陽のマークなのかなぁくらいしか考えていませんでした。しかし、このマークには重要な意味が大昔から与えられていたことダン・ブラウンの小説『ロスト・シンボル』で知り驚いたので、まとめたいと思います。
サーカムパンクトの意味①「天文学」
ロスト・シンボルにはサーカムパンクトについてこのように書かれています。
「これには数え切れない意味があるんです。古代エジプトでは太陽神ラーの象徴だったので、現代天文学でも太陽の象徴として使われています。(後略)」(ロスト・シンボル 中)
古代エジプトで太陽神ラーを表す象形文字の一部であり、太陽のシンボルとして使用されていたようです。現代の天文学で太陽を表す記号として使用されているのも納得です。
また、古代中国でもこの記号が太陽を表す象形文字であり、「日」という漢字の元になっています。
サーカムパンクトの意味②「心理学」
また、ユング心理学における「自我と自己」の表現でこの記号が使われます。
中央の点は自我を表し、自己は中央の点を持つ全体で構成されていると言えます。
サーカムパンクトの意味③「錬金術」
ロスト・シンボルには他にもこのような記述があります。
「丸中黒(サーカムパンクト)」
「神を表す万国共通の象徴だな」
「そうです。歴史を通じて、サーカムパンクトは万人にとっての万物でした--- 太陽神ラー、錬金術における金、万物を見透かす目、ビッグバンの特異点、それに---」
「宇宙の偉大なる建造者」
(ロスト・シンボル 下)
錬金術における金を表す記号としてサーカムパンクトが用いられています。その他にも、この記号には重要な意味が与えられています。どの時代・国も、このシンプルな記号に重要な意味を込めてしまっていた人間の性(さが)はとても面白いですね(というか、なんでだろう...)。神話や記号学がひょっこり顔をだす最古の学問「天文学」。やっぱり面白いですね。
小説『ロスト・シンボル』について
- 作者: ダン・ブラウン,越前敏弥
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/08/25
- メディア: 文庫
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ダン・ブラウンの本です。『ダ・ヴィンチ・コード』の人といえば分かるでしょうか?
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